最後の雨

目が覚めてから異に思う。
音がしないのである。
し〜〜〜〜ん と静まりかえっている。
風の音、小鳥のさえずり、何時もならば聞こえる遠くの鉄橋を渡る電車の音、など
何もきこえない。
もしかして、もしかして、耳が聞こえなくなってしまったのか?・・・
などとは考えず、
ひょっとして、雪に埋もれてしまったのではなか?と、思った。
昨晩、床に着く前は雨も上がり、比較的温かい夜だった。が、
それでも、除雪車が通った気配も無い。
自家用車だってこの時間まで一台も通らないなんて・・・
しばらくすると、階下から孫の笑い声が聞こえる。
あ〜〜我が家は普段と変わりない。
そんな朝だった。
新聞を取りに外に出ようとして驚いた。
まっ白な世界が広がっていた(やっぱり雪国だった)