最悪の天候Ⅰ

本当に一晩中 ガタガタ ピュ〜ピュ〜 ザァ〜 の音
いやな感じが頭の中をよぎる。
朝の出掛けに妻が「ちゃんと足を着いて帰って来い」などと言う。(初めてだよ)
昨日も今回の仕事(国勢調査)の担当者が「気をつけて行って来てください」なんて言うし。
何時もの山行とは違うなぁ と思っておりました。(そこに、この悪天候です)
降りるのやめようかなぁ・・・
朝食を頂くまで迷っていました。
昨日、一緒に乾燥室(衣類の)で乾燥させられていた口髭のおじさん(私もおじさんだけど)も迷っている様子。(どうします???)
何せ風が強いので「稜線は避けて大雪渓を戻ろうか?」とか。
それも良いが、私の場合、愛車が蓮華温泉で待っているし・・
テレビの天気予報では、「曇り後雨」=下界です。(これ以上ひどくなるの?)
山小屋の事務所でも「今日は待っても良くならない」と言われるし。
と言う事で、早めに出てゆっくり降りる事に決定。(心配だけどワクワク。変な感じ)
昨日より強い風が吹いている。
白馬山頂までは、向かい風の為に足が重い。(山頂ではもう一度ガッツポーズ。又しても誰もいない)
山頂から下りに向かう直後に強い風で飛ばされそうになる(杭にしがみついてしばし様子を見る)
隊長(山岳救助隊)が言っておられた「風は、呼吸をするように強くなったり弱くなったりする。弱い時に走れ」を思い出す。
杭では、風除けにならないけど、「つかまっていれば飛ばされないだろう」などと考えていた。
風が弱まった隙をついて走り出す。(いや、小走り)
左耳にはカッパに打ち付ける雨の音がやかましい。
風下に小山があると安心して歩ける(左足が風に押されて右足の前に着くけど)
岩陰に隠れると、風どころか雨も当たらない。(ほっとする)
出発して約30分。当面の目標である三國境が見えた。
と、雷鳥が4羽、一緒に歩いてくれる(まるで、励ましてくれるようだ)
軽くお礼の挨拶をして次の目標の小蓮華山に向かう事にする。