人のふり

帰省中の息子の悲鳴が家中に響いた。
奴は虫が苦手だったか?
それともアマガエルが嫌いだったか?
もしやネズミでも出たか?
3日前に帰宅し、日頃の忙しい体を休めるチャンスとばかりに一日中夏風に揺られている。
久々の帰宅に、母も腕によりをかけて食事の用意をするし
何と言っても田舎は空気が美味い。
明日は、「岩盤浴にでも行ってこようかなぁ」などと、
忙しい我が身にとっては、うらやましい事を言っている。
そんな息子が血相を変えてやって来た。
「やばい!太った!人生の記録を塗り替えた!」
彼が怖かったのは、体重計だった。
実は、わが身も健康診断が終わって気が緩み、お腹も緩んだのだった。
昨晩、こっそりと(息子に内緒で)ランニングを決行する。
「お前は、太り過ぎだ!」と、言いたい為に。