黄色

徒歩通勤の途中で、傍らの庭先に目を向けてみる。
そこには、むせかえるような春の匂いがあった。
昔、両親に連れられて苗のタネまきに行った時の匂いである。
そこには、スイセンが咲き誇り、土の匂いや新芽の息吹を感じる世界だった。
はっきりと情景を思い出せないものの、鼻が覚えている。
当時は、何を考えていただろう。
今のような暮らしを夢見る事も無く、何も考えず走り回っていたような・・
あの日・・・